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不動産鑑定と税金

不動産鑑定は、そもそも税金の徴収のために創られた制度だ、という議論があります。
なるほど、確かに不動産鑑定士の仕事には、「相続税路線価」や「固定資産税路線価」を評価する業務があり、これらを根拠にそれぞれの税額が調整され、決定されたりしています。

ただ、もちろん不動産鑑定の業務はそれだけではありません。
たとえば、道路を作る場合の土地収用などの際にも、不動産鑑定は活用されます。
官の決めた一方的な価格でなく、また民の言い値でもない、第三者的な、客観的中立的価値を判定するのには不動産鑑定という制度が不可欠となります。

ここ数年は、不動産の証券化が活発であったことから、不動産鑑定業界もそちらの方面の業務が活発でしたが、もともとは不動産鑑定業務は、前記のように、官公庁からの業務が多かったのであろうと思います。

ここで若干問題となるのは、われわれ不動産鑑定士には、厳しい守秘義務が課されているのですが、取引価格や賃料の情報は自動的に入手できるわけではなく、登記情報から取引当事者に任意のアンケートを行い、その回答から事例を作成しているのです。

取引価格に関しては、税務署から取引当事者に「お尋ね」があり、これに関しては国民の意識が高い(税務署は鬼より怖い?)ことから、回答率は極めて高く、精度も高いと推測されるところ、この情報は不動産鑑定士及び鑑定業界、またその監督官庁である国土交通省には開示されていないと思います。

正しい徴税のためにも、不動産取引の透明性確保のためにも、これらの情報が税務当局と国土交通省との間で共有化され、活用されることが国民生活に資すると考えますが、いかがでしょうか。

政権交代はともかく、鑑定業界から働きかけないといけませんかねぇ・・・。
(^T^;)
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テーマ : 不動産
ジャンル : ビジネス

コメント

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No title

以前、売買価格も登記申請事項(但し非公示)に入れようという動きがあったように記憶してます。国交省が取引価格水準を一般に公表しようという動きと同じ時期だったと思います。法務省と国交省は登記移転データの情報交換ができてますので、期待しておりましたが、結局、プレッシャー・グループとしてより力の強い宅建業界などの反対で潰れてしまいました。より適正な価格形成のためにも、使用目的と守秘義務を徹底したうえで特定の資格者だけには情報公開してもよいのではないかと思います。

国土交通省の土地取引状況調査の情報は、地価公示・都道府県地価調査の鑑定評価の取引事例として使用されるのはアンケート返答者としては納得できますが、この事例が鑑定業者の営業鑑定評価に流用されている。これが許されている法的根拠を教えてください。

Re:

ご指摘のとおり、もともとは地価公示・都道府県地価調査の鑑定評価の取引事例としての使用が目的ですが、アンケートの用紙に(社)日本不動産鑑定協会の会長から「他の鑑定評価業務での使用する可能性もありますことをご了解願えますでしょうか」といった主旨のお願い文の記載があります。
これにつきましては、国土交通省側も個人情報保護をはじめとする法的クリアが可能なことを前提に了解済みです。アンケートの中に国土交通省の担当部門への問い合わせ先が記載されており、同様の主旨の回答が国土交通省から得られます。
もっとも、不動産鑑定士であれば誰でも使用可能というわけではなく、守秘義務は当然のこと、倫理面を含み一定の要件をクリアした者が使用可能となるよう、使用の規制もされています。
今後とも、よろしくお願いいたしますm(__)m

No title

なるほど、ありがとうございました。
公示の評価員は土地取引状況調査情報の件ではご苦労をされているけど、反射的に業界あげて営業鑑定評価で流用出来るのでよしとしている訳ですね。ソースは公的入手、実質的には民使用。
グレーゾーンは免れませんね。
ちょっと意地悪な質問をしてしまいました。お許しください。
本ブログの益々のご繁栄を祈念しております。
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