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東日本大震災・福島原子力発電所事故に思うこと

東日本大震災から3ヶ月になりますが、被災者の方々にはあらためてお見舞いを申し上げます。

さて、この間、我々日本人はいろいろなことを考えさせられたのではないかと思います。マスコミでもネットでも、いろいろなお立場の方々がいろいろなことを発言・発信しています。何が本当で何が本当でないのか、猜疑心も沸いてきます。

そこで今日は、「節電は何のため、誰のため?」を考えてみたいと思います。
私自身が勘違いしていたのは、「原子力発電所の事故が大変なので、節電して協力しよう!」と、自己犠牲のつもりで、LED電球を買い求めたり、照明を暗くしたりしていたのですが、これって誰のためでもなく、単なる「自己満足」で「自分のため」にしかなっていないような気もします。
そもそも福島原子力発電所は「東京電力」の発電所であって「東北電力」の発電所ではありません。(アタリマエ)ですから、東京電力管轄の私たちが節電することで被災者の方々に何のメリットもありませんし、東京電力も電力販売の売上が落ちて経営が一層困窮するはずなので、正しくは東京電力は「発電可能なギリギリの線で使っていただくのがありがたい。」というべきなのではないのでしょうか。もちろん、停電にならないセーフティマージンは取らなければなりせんが、昨今の使用量は供給可能量の80%以下もざらです。

ではなぜ国を挙げて「節電」と東電のみならずマスコミも騒ぐのでしょうか・・・。
「原子力発電が無いと、供給が不足して、皆さん不便でしょ?」
「原子力発電ならコストが安いのに、火力ではコストも高いし、CO2も排出するので、環境にも悪いですよね?」
ということですよね。
これって、本当に、本当なんでしょうか。
本当?その1・・・原子力発電が無いと供給量不足?
     →実は、この夏も、来年も、本当は余裕で足りるんでは
      ありませんか?
      確かに発表されている数値ではギリギリに見えますが、
      その数値は本当なのでしょうか?
      発表しているのは誰でどこですか?信用できますか?
      最初は「全然足りない」って言っていたのに、
     「頑張ったらギリギリまで来ました!」って
      頑張った感じ、努力した感じを出してますが、
      それって本当でしょうか?
本当?その2・・・原子力発電はコストが安い?本当ですか?
      それって「今はね」「だって先のことは考えていないもーん」
      ということではないのでしょうか?
      廃炉の費用とか、核燃料廃棄物の処理費用とか、ちゃんと
      見積もっていたのでしょうか?
      要するにトータルのコストで見て、火力や太陽光発電よりも、
      本当に安いのでしょうか?
本当?その3・・・温暖化対策のためには原子力が不可欠?
      原子力発電って、トータルで見て、本当に温暖化対策になる
      のですか?
      それを言っているのは誰ですか?そのヒトタチは信用できる
      ヒトタチでしょうか?
      東京大学を出てテレビに出ている教授たちは、国民のために
      本当のことを言っているのでしょうか?
      まさか「原子力ムラの住人たち」の既得権益のために、カネ
      もらって言わされているとか、もしくは原子力教という、
      まるでオウム真理教のような宗教を盲信して、国民に布教
      しているのではないでしょうか?

・・・というのは、私自身が最近まで、「それでも原子力は必要なのだ!」と信じていたからなのです。

私の今考えている真実とは、ここに書くのもとても恐ろしいお話しですが、実際に今回の福島原子力発電所事故によって避難が必要な方々は、福島県民およそ200万人のうち、都市部の福島市・郡山市・伊達市・いわき市をほぼ全て含む全域、およそ100万人の皆さまが住む地域なのではないか、しかしながら、政府も東京電力もその事実は百も承知、二百も合点ではありながら、「だってそんなこと言ったらパニックになるし、だいたい避難させられるわけ無いじゃん!!」と開き直って、「とりあえず過疎地の放射線の濃いところだけ、やっとこう。」としているのではないか、ということです。
あれ、もしかして皆さんお気づきだったんですか?気がついていなかったのは僕だけ?
あれ、誰ですか、「オトナはそんなこと言っちゃいけない。」「知っていても言わないほうがいいことが世の中にはあるんだぜ?」なんて言っているのは・・・?
「それは風評被害をあおる」「けしからん」・・・本当に「風評」でしょうか?「国際基準に照らして避難しなければいけないのはどれくらい以上でしたっけ?」「今の日本の基準は国際基準の何倍ですか?」「いま事故後何ヶ月経っていますか?」「福島県産品を子供たちの給食に与えて、何かあったときの責任は誰が取りますか?」

私たちは、それで、いいのでしょうか。

私たち40代以上の人間には、もしかしたらそれでいいのかもしれません。
いずれ癌になる確率もそうは高まらないでしょうし、気にするほどではないかもしれません。

ですが、妊婦さん、これから大人になる子供たち、特に10代のお嬢さん方にも、それでいいのでしょうか?
「福島県出身だから、子供をちゃんと産めないかもしれないから、お嫁に行きづらい。」なんて、悲しすぎる、残酷な将来の可能性(危険性)を、与えていいのでしょうか?
われわれ大人世代に、子供たちの将来を奪う権利があるのでしょうか・・・?

考えすぎなんでしょうか?
でも、いま、この震災と原発事故の機会に、わが国のエネルギー政策とか、国のカタチとか、政治と官僚のあり方とか(今回は主に経済産業省=以前の通商産業省)を考えずに、いつ考えるのでしょうか?
東京電力をそのままにしておいていいのでしょうか?
公害企業のチッソのように、長年生かさず殺さずで原子力損害賠償をさせる建前で存続させるのがいいのでしょうか?
発電・送電の分離とか、電力のより一層の自由化とか、賠償責任会社は分離して東京電力は解体するとか、いろいろな議論があってしかるべきなのではないでしょうか。

長くなりましたがもう一つ、「電気料金の値上げは致し方ない。」のでしょうか。
ついこの間まで、僕もそう思っておりました。「被災者のためになるなら・・・値上げ容認かな。」
ですが、本当に電気料金の値上げは必要なのでしょうか??
日本の電気料金は、そうでなくとも世界一高いという説もあります。
日本の電気料金の半分ほどで電力供給している先進国はたくさんあります。
もしかして、電気代、ぼったくられていたのではありませんか?
誰も「電気代が高いよ!」と文句を言わなかったのをいいことに・・・・。
あるいは「どこかの国みたいにたびたび停電になってもいいんですか?」という恫喝に負けて・・・
電気代の値上げは、被災者に使われるのでしょうか?本当ですか?原子力ムラのヒトタチに中間搾取されませんか?

私たちは騙されていたのではないでしょうか?
わかっていて許してきたのでしょうか?
まさか前首相が原子力ムラに言われて世界中に「CO2を25%削減します!」「そのためには原子力をもっと推進します!!」「どう?かっこよかった?」とか言ったんじゃないですよね?

今後も良く考えて発言し、行動したいと思います。
(>T<)

『誰が小沢一郎を殺すのか?―画策者なき陰謀―』

今年に入ってから3月末まではあまりにも忙しく、本を読んでいる時間がなかったのですが、ここにきて若干仕事も落ち着きを取り戻しましたので、本屋さんで立ち読みしながら何かおもしろい本はないか探していたところ、

カレル・ヴァン・ウォルフレン著『誰が小沢一郎を殺すのか?―画策者なき陰謀―』(角川書店)

が目にとまりました。

私としましては、若干衝撃を受けるとともに、納得できる部分も多かったため取り上げさせていただきます。

なお、以下については、私の個人的な感想・見解であり、「やまと鑑定パートナーズ」の皆さんとは一切関係ありませんこと、申し添えます。

著者は30年以上にわたって日本の権力構造をめぐる取材・分析を行ってきたオランダ人ジャーナリスト(アムステルダム大学教授)で、過去に『日本/権力構造の謎』(早川書房1989年、官僚機構を始めとする権力行使のあり方を分析し、日本における権力機構の責任中枢の欠如を指摘)や『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社1994年、官僚主義を打破する改革者として小沢一郎氏を評価、「説明責任」という言葉を広めた、薬害エイズ事件における菅直人氏も賞賛)という本がベストセラーにもなっています。

今回の著書は怪しげなタイトルではありますが、決して変な内容ではなく、極めてまともな明治以降の日本における権力機構の分析がなされています。著者が外国人であるからかもしれませんが、日本にいるとなかなか意識しない観点からの鋭い洞察がなされています。多少の事実誤認もありますが、全体を通しての分析枠組みの中ではたいした問題ではありません。

官僚機構が裁量によって実質的に統治している日本では、暗黙の了解によって成立している官僚・検察・マスコミの「非公式なシステム」が存在するといいます。法が権力システムを制御(普通の民主主義国家はこれ)するのではなく、権力システムが法を支配する国だといいます。既存メディア(大手新聞、テレビなど記者クラブ制度から恩恵を受けているマスメディア)がそれをサポートする役割を果たしており、検察の有罪判決率99.9%は検察が裁判官の役割を果たしているに等しいといいます。

問題は、この暗黙のシステムを脅かす存在(既存の社会体制を変革する可能性のある者)は、スキャンダルによって消されてきたということです。

これは、現在では、小沢一郎という政治家に対する「人物破壊(character assassination)」とでもいうべきメディアの動きと検察の行動を見れば明らかだといいます。これらの動きに対し、異議を唱えての抗議デモ(必ずしも小沢氏を支持するための抗議というよりも、検察とメディアの動きに抗議しているという意味合いが大きいのではないかと推察します)が日本各地で繰り広げられているにもかかわらず、記者クラブ制度に加盟するマスメディアがこれをほとんど黙殺していることも奇異に感じておりましたが、納得できます。

このような一方的な動きのみを見せられている国民は、小沢一郎という政治家の本質(彼のやってきたことの意味、やろうとしていることの意味)とは関係なく、何となく「剛腕でリーダーシップはあるが、悪い政治家」というイメージに誘導されてしまっている気がします。

現在の政治資金規正法が曖昧な部分のある法律だということも問題です。政治家にとっても逃げをうてる部分があるとともに、検察側の解釈次第で事件にできてしまえる部分もあるようですので。

話は逸れますが、織田信長には熱烈なファンがいる反面、絶対的な信長嫌いもいます。その理由としては、比叡山焼討ちや一向一揆弾圧など宗教勢力に対する行動に起因する場合も多いのではないかと思います。ただ、注意深く観察すれば、信長が宗教あるいは信仰そのものを弾圧した史実はありません。あくまで、信長が改革しようとしたことに反対する武力勢力に対する武装解除をしただけでその本質は宗教弾圧とは異なります。現在とは異なり、当時は宗教勢力も武力を持ち、時の権力者もなかなかその既得権に踏み込むことはできなかったのです。得てして「改革者」というものは既存の権益を侵すことになりますのでその反発は大きいものなのだと思います。

野党時代は改革者だと思われていた菅直人氏が時の権力の座に就任したとたんに「非公式なシステム」に飲み込まれ、小沢氏を亡き者にしようとしている光景は、私には異様だと映ります。

ウォルフレン氏のいう「非公式なシステム」は、経済学者の野口悠紀雄さんが『1940年体制』(東洋経済新報社、1995年)の中で、「戦時経済体制(1940年体制)」と呼んだものとも関係があるという印象を持ちました。

以前取り上げたことがありますが、野口さんによれば、「戦時経済体制(1940年体制)」とは、以下のようなものだといいます。

1.財政金融制度
(1)間接金融方式
戦前の日本の産業資金供給は、資本市場を通じる直接金融方式を中心とするものであったが、戦時経済の要請によって、銀行を経由する間接金融方式への移行がはかられた。
(2)金融統制
戦時金融体制の総仕上げとして1942年につくられた統制色の強い旧日本銀行法は、1998年まで日本の基本的な経済法のひとつであった。
(3)直接税中心の税体系
1940年度税制改正において給与所得者に対する源泉徴収などが整備され、現在まで続く直接税中心の税体系が確立された。
(4)公的年金制度
1939年の船員保険と1942年の労働者年金保険制度によって、民間企業の従業員に対する公的年金制度が始まった。労働者年金は、1944年に厚生年金保険となった。

2.日本型企業
(1)資本と経営の分離
革新官僚が推し進めた「資本と経営の分離」が、間接金融方式とあいまって、戦後日本企業の基本となった。
(2)企業と経済団体
戦時中に成長した企業(電力、製鉄、自動車、電機)が戦後日本経済の中核になった。統制会の上部機構が経団連になった。
(3)労働組合
戦時中に形成された「産業報国会」が戦後の企業別労働組合の母体となった。

3.土地制度
(1)農村の土地制度
戦時中に導入された食糧管理制度が戦後の農地改革を可能とした。
(2)都市の土地制度
戦時中に強化された借地法・借家法が戦後の都市における土地制度の基本となった。

現在、制度疲労が問題となり、何らかの改革を要する事項が、意外と多くは戦時経済体制の中で確立されてきたものなのです。戦時体制というものは、極度に官僚的統制が求められる体制です。戦時が戦後となっても、多くの官僚組織は維持されました。戦時と戦後は霞が関においては切れ目なく連続しているのです。

このような強固な既存体制を改革することは並大抵のことではありません。既得権を有する勢力の抵抗は想像を絶するはずです。

このようなものに切り込む「覚悟」は、少なくとも今の菅直人氏にはあろうはずがありません。小沢一郎氏にその「覚悟」があるかどうかはわかりませんが、氏の主張を聞く限りではそのつもりであることを感じさせます。伏魔殿ともいうべき特別会計をゼロベースから見直すと言っておりましたし、記者クラブ制度の見直し、オープン化についてはだいぶ前から前向きでしたし。

ですから「人物破壊」とでもいうべきメディアと検察の攻撃を受けることになっているのではないかと感じます。

そういえば何日か前のニュース番組で、竹中平蔵氏が「すぐ使えるお金が国債整理基金にあるのになぜそれを震災対策に使おうとしないのか」と大塚耕平厚生労働副大臣に質問してましたが、官僚的答弁でかわされておりました。国債整理基金は、本来、発行済の国債に支払う利息を処理する特別会計ですが、いわゆる埋蔵金が表面化して以降、埋蔵金を一般会計の財源とすることを嫌い、財務省管轄下の特別会計の剰余金や繰越金がこの特別会計に移し替えられているようです。

かつて自民党時代、与謝野馨氏はその著書「堂々たる政治」(新潮社、2008年)の中で、いわゆる埋蔵金は、幻想にすぎず、国民を煙に巻く、罪深い議論であり、夢物語であって、何の根拠もなく、伝説の域を出ない、と言っておりました。また、政権交代後は、民主党は倒さねばならない、と常に主張されておりました。ところが、実際、特別会計の中に100兆円近い国家備蓄金(埋蔵金)があるとわかり、2009年度予算以降かなりの埋蔵金が予算に組み入れられている現実があります。驚くことに、その与謝野馨氏は、今年の1月、菅再改造内閣にて、経済財政政策担当大臣に就任しております。埋蔵金は、幻想であり、伝説の域を出ないといっていた政治家が、打倒するはずであった政権にちゃっかりいるわけです。まさに、与謝野氏の言葉をそのままお返しすれば、「幻想の」政治家ともいうべき方が、消費税増税を含む今後我が国の経済財政政策を担当するなど、「夢物語」にしていただきたい気がします。

特別会計については言いたいことが山ほどありますがまたの機会といたします。

では(^E^)

ホテルの鑑定評価

ちょっと前にシティ・ホテルの鑑定評価を行いました。シティ・ホテルという分類は日本での社会通念上の分類でやや曖昧なものではありますが、イメージとしては、大都市に立地する大型のホテルで、宿泊施設のほか、一般的には、レストラン、宴会場、婚礼施設等を有するホテルということになろうかと思います。

国際的な分類に従えば、機能別分類ではフルサービス・ホテル(多機能型ホテル)、価格別分類ではラグジャリー・ホテル(高級価格帯ホテル)あるいはアップスケール・ホテル(上級価格帯ホテル)、立地による分類ではダウンタウン・ホテル(都心型ホテル)あるいはアーバン・ホテル(都市型ホテル)ということになろうかと思います。

従前、ホテル市場は需給実態の把握や動向の分析がなかなか困難な市場でした。統計の整備が不十分であったことと、公開情報が少なく、オペレーショナル・アセットとしての市場特性の把握に困難な面があったことなどによります。

ただ、統計の未整備については、近年、観光立国推進や、観光庁の設立などを通じて、観光統計整備の必要性が強く認識され、「宿泊旅行統計調査」(2007年~)が実施され、これまで分からなかった、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル、旅館などの分類毎に、稼働率、利用客数などが月単位・都道府県単位で把握できるようになるなど、大きく改善されれています。月毎に必ずしも調査施設数が同じというわけでもありませんので、多少加工する必要はありますが、Excelシートでダウンロードできますので便利です。また、「旅行・観光消費動向調査」(2003年~)なども参考になります。

それから、ホテル取引の実態を考慮しますと、同一需給圏(対象不動産と代替・競争等の関係が成立する不動産の存する圏域で、対象不動産に関する典型的な市場参加者の視点に立って把握される)という概念には2つの側面があります。例えば、複数のホテルを運営する大型グループ会社の場合、北海道から九州・沖縄まで複数のホテルが全国各地に存在しています。この場合、それぞれのホテルの価格が当該ホテルの事業収益性に基づき評価されることになります。地方都市のホテルでも収益力が高ければ、大都市圏の収益性が悪いホテルより高価格となることもあり得、このような観点からみれば、同一需給圏は全国的とも考えられます。一方、単独のホテルの場合は、地域的指向性が強く作用し、同一需給圏は、東京圏、大阪圏等の商圏あるいは観光圏の範囲内、若しくは同一行政区域内、同一最寄駅圏内等に狭まってきます。特にホテルは立地条件が集客力に大きく影響することから、商業中心あるいは中心ターミナルから徒歩5分~10分程度までの圏域が最も需要が強い場合も多く、そのまわりに2次的マーケットが形成されるといった状況も見受けられます。ですから、対象ホテルの規模なども勘案し、どの程度までの範囲をマーケットとして想定するかということも、まずもって重要な点です。

では、ホテル市場の分析をある程度行った後に、具体的なホテルの評価を行なう場合、何が重要でしょうか。何といっても重要な経営指標は、GOP(Gross Operating Profit、営業総(粗)利益)です。

GOPは、特にホテル業界において、他のホテルとの収益性を比較する場合、運営会社あるいは支配人の業績評価を行う場合、運営委託における報酬額を決める場合(例えばGOPの何%)、買収額を検証する場合(例えばGOPの何倍)などのベースとしてよく使用されている経営指標です。

しかしながら、日本では各ホテルの会計基準がまちまちであることなどにも起因して、GOPに含めるべき項目の範囲について統一された基準があるわけではなく、やや曖昧さの残る概念とはなっています。

これは他の国でも似たところがあり、ホテル版国際会計基準とでもいうべき通称「ユニフォーム・システム」(Uniform System of Accounts for the Lodging Industry、全米ホテル協会・国際ホスピタリティ会計士協会認定のホテル会計基準)においても、約30年ほど前まではGOP概念が表記されていましたが、その後、「固定費控除前利益」、「運営委託料及び固定費控除前利益」などに変更され、現在では、「非配賦(配賦不能)営業費用控除後利益」とされ、より正確な会計表現となっています。

我が国におきましても、国際的ホテルチェーンの進出、外国資本によるM&Aや資本参加など、ホテル資産の流動化が進行する中で、国際的な業績比較が重要となっていることから、ユニフォーム・システムが注目をあびるようになっています。ただ、ユニフォーム・システムは、宿泊主体のホテル業態を念頭においた会計基準でして、料飲部門、宴会部門、婚礼部門などの比重も高い我が国では、基準を日本的に修正する必要はあります(ユニフォーム・システムでは、宴会部門は料飲部門に含められておりますし、婚礼部門は特に定められておりませんし・・・)。

とはいえ、実際上、世界のホテル業界あるいは関係者の間では未だGOP表現が日常的に使われていることに変わりはありませんので、重要な経営指標です。

では、GOPはどれぐらいの水準があればいいのかという点につきましては、ホテルのタイプによっても異なりますし、地域性、売上構成、グレードなどによっても異なりますので、一概にいうことはできないのですが、シティ・ホテル(フルサービス・ホテル)を前提にして、かなりザックリな数値をいえば、売上高の20%~30%程度が妥当な水準ではないかと思われます。おそらく日本全国平均では、20%を若干下回っているとは思います。人件費の割合が結構占めますのでやむを得ない面はあります。ただ、東南アジアなどでは40%程度はあると思いますし、欧米でも30%程度はあると思います。日本でも、外資系のラグジャリー・ホテル(高級価格帯ホテル)などでは30%程度はあると思いますし、日本のホテルでも大都市部のホテルであれば20%~30%程度あるホテルも少なくないと思います。一応、目標値としては、売上高の20%~30%程度というところではないかと思います。

ユニフォーム・システムとは若干異なりますが、我が国のホテル事業収支構造を考慮すれば、凡そ下記のような損益計算書のイメージになるのではないかと思います。

①売上高(客室部門、料飲部門、宴会部門、婚礼部門、その他の営業部門、賃貸借部門)

②営業部門費用(客室部門、料飲部門、宴会部門、婚礼部門、その他の営業部門、賃貸借部門 ・・・・ 但し、各部門毎に、売上原価、人件費、その他費用等に区分されます)

③営業部門利益(各部門毎の「①-②」)

④非配賦(配賦不能)営業費用(一般管理費、マーケティング費用、施設運営・維持費、水道光熱費)

⑤非配賦(配賦不能)営業費用控除後利益 =GOP(Gross Operating Profit、営業総(粗)利益、「③-④」)

では、このGOPからどのようにホテルの評価を行なうのでしょうか。まず、対象ホテルの過去3期~5期程度の財務諸表を分析することから始めます。ここでもいくつかの重要な経営指標があります。以下、主なものを簡単に取り上げます。

客室稼働率(OCC、Occupancy Rate)…… 客室の使用室数の状態を示す指標で、一般的にもなじみのあるものだと思います。「OCC=実際販売客室数÷販売可能客室数」です。ただ注意を要する点は、高稼働率が必ずしも好成績を示すとは限らないということです。極端な例でいえば、仮に全客室100室が全室5割引で販売された場合、OCCは100%ですが客室の実収率は50%に過ぎず、収入面から見ると半分の50室しか販売されていないのと同じということです。ですから、この指標は他の指標とよく比較検討のうえその意味するところを把握する必要があります。

ADR(平均客室料金、Average Daily Rate)…… 「ADR=全客室売上高÷実際販売客室数」です。「ADR=全客室売上高÷(総客室数×営業日数×OCC)」ということもできます。客室タイプ毎に料金は異なりますし、いろいろな割引も適用されたりしますので、同じ客室数であっても、収入総額は変動します。ホテル業界では、従来、この指標を重視していました。売れた部屋だけの平均を問題にしていたということです。では、売れなかった部屋の分はどうなるのでしょうか、ということで、現在では、次に述べる「RevPAR」重視の経営が行われるようになっています。

RevPAR(リバパー、1室当たり収入、Revenue per Available Room)…… 「RevPAR=全客室売上高÷販売可能客室数」です。「RevPAR=全客室売上高÷(総客室数×営業日数)」ということもできます。ADRでは、平均客室料金は「売れた部屋数」で除しておりますが、RevPARは、ホテルにある「全客室数」で除しておりますので、稼働率が低いホテルではてきめんに低い数値がでることになります。ホテル経営の基盤となる全客室が効率よく販売されているか否かがよくわかるわけです。上記でも述べましたが、従前、ADR中心の経営がなされておりましたが、売れなかった部屋の分はどうなるかという点とは別に客室稼働率は単独で問題にされておりました。ですから、安いツアーを受注してきて、「稼働率100%だ」ということも評価されていたわけです。RevPAR重視の経営が行われるようになってくると、より高い料金で、かつ、よりたくさん売るということが求められるわけです。

上記は客室部門の話ですが、その他の部門については「客単価」が重要な指標となります(なお、客室部門においても客単価は重要なことに変わりはありませんが)。

「料飲部門客単価=料飲部門売上高÷料飲部門利用客数」
「宴会部門客単価=宴会部門売上高÷(宴会件数×平均参加者人数)」
「婚礼部門客単価=婚礼部門売上高÷(婚礼件数×平均参加者人数)」

というような感じです。

では、各部門別の収益構造はどのようなものでしょうか。これは、私が過去に行ってきたホテル評価における経験値的なものとホテル経営に関する参考文献などから、ザックリこんな感じと把握している数値でして、必ずしも規範性のあるものではないことにご留意ください。比較的大型のシティ・ホテル(フルサービス・ホテル)を前提にします(各売上高100として)。

<客室部門>
売上高100 売上原価5~10 人件費20 その他費用5~10 部門利益60~70程度

<料飲部門>
売上高100 売上原価20~30 人件費50 その他費用5 部門利益15~25程度

<宴会部門>
売上高100 売上原価20~25 人件費25 その他費用5 部門利益45~50程度

<婚礼部門>
売上高100 売上原価20~25 人件費25 その他費用15 部門利益35~40程度

<その他部門(売店の場合)>
売上高100 売上原価60~70 人件費5 その他費用5 部門利益20~30程度

というような感じでしょうか。

以上述べたような指標及び収益構造に基づき、類似する他のホテルの指標なども参考に、対象ホテルの事業収支を分析し、対象ホテルの「平年度における安定的な事業収支」(売上高、GOP等)を判定することになります。

1点だけ注意を要するのは、企業会計上の「減価償却費」は適正な期間損益計算を行うために計上される未支出の費用であるため、キャッシュフロ-ベースでの収益を把握する不動産評価の観点からは、費用項目から「減価償却費」相当額を除外する必要があります。

さて、ここで対象ホテルの「平年度における安定的な事業収支」が求められましたので、以降、どのような形で収益還元法を適用するかです。

もちろん、この事業収支を基に、調整を施し(詳細は省略)、事業収益還元法ともいうべき方法で対象ホテルの収益価格を算定することも可能だとは思いますが、これでは指標となる利回りがありませんので、例えば、事務所ビル、共同住宅、商業施設等の還元利回りとも比較検討ができるような、同一尺度での収益構造に変換(想定)する必要があります。

そこで、鑑定評価においては、対象ホテルの土地・建物をホテル運営会社に一括して賃貸借(ホテル経営形態の分類におけるいわゆる「リース方式」)することを想定し、「平年度における安定的な事業収支」(売上高、GOP等)に基づき、「負担可能賃料相当額」を求め、これをベースに収益還元法を適用するというやり方を一般的には行います。

「リース方式」は、「マネジメント・コントラクト方式(経営委託方式)」に比べ、ホテルの運営責任のみでなく、将来におけるホテル経営全般に係る事業リスクをも負担することになりますので、「マネジメント・コントラクト方式」における経営委託料相当額に当該事業リスク負担等を加味した経営報酬を確保できる水準で負担可能な賃料が決定されると考えることができます。

具体的には、
①「マネジメント・コントラクト方式」におけるマネジメント・フィー相当額
②「FF&E(Furniture,Fixtures&Equipment、家具、什器・備品、内装等)」リザーブ相当額
③「リース方式」における事業リスク負担等の加味

ということで、「リース方式」を想定した場合の「負担可能賃料相当額」を求めることになります。

まず、①についてですが、「マネジメント・コントラクト方式」における経営委託料は、一般的に、ベース・フィー(基本運営委託料)とインセンティブ・フィー(出来高報酬)から成り立っています。インセンティブ・フィーを組合わせるようになったのは、経費削減等経営責任を課する意味合いが大きいものです。ベース・フィーは売上高の一定率で算定され、インセンティブ・フィーはGOPの一定率とすることが一般的ではないかと思われます。

ベース・フィーは、インセンティブ・フィーの内容にもよりますが、売上高の1%~3%程度と考えられ、対象ホテルの個別性等を勘案して判定します。

一方、インセンティブ・フィーは、ベース・フィーの内容、ホテル運営会社の競合状況、委託者と受託者の力関係などによってもだいぶ異なってくるとは思いますが、GOPの5%~15%程度と考えられ、対象ホテルの個別性等を勘案して判定します。

次に、②FF&Eリザーブ相当額ですが、これは、家具、什器・備品、内装等の更新のための準備金です。「リース方式」では、これらは一般的にホテル運営会社の負担となることが多く、考慮する必要があります。FF&Eリザーブはホテル規模にもよりますので一概にいうことはできないのですが、一般的には売上高の1%~3%程度と考えられ、対象ホテルの個別性も勘案して判定します。

最後に③「リース方式」における事業リスク負担等の加味ですが、これはホテルの運営状況によってまちまちですので、対象ホテルの個別性に応じて判断するしかないとは思います。

以上に基づき、

「負担可能賃料相当額=(GOP-①-②)×(1-リスク負担率)」などと算定します。

これを支払賃料として、以降は通常の(事務所、共同住宅等と同じように)収益還元法を適用していくわけです。

注意を要するのは、「修繕費」「資本的支出」については、テナント(ホテル運営会社)の負担部分もありますので、エンジニアリング・レポート(通常100%所有を前提にしている)などの金額を区分のうえ、所有者負担相当のみ計上する必要があるということです。それ以外の費用としては、土地・建物の公租公課、建物の損害保険料等があります。

還元利回りについては、「リース方式」のホテルの取引利回りとの比較検討がベストですが、エリアによってはどうしても事例を収集できないケースもありますので、そのような場合は、他の地域のホテルと事務所・共同住宅等の利回りの格差や投資家調査などを参考に判定せざるを得ない場合もあろうかと思います。

以上、簡単にホテルの評価について述べましたが、対象ホテルの現況が既に「リース方式」である場合にも、現行実際支払賃料を検証する意味において、上記の方式も適用すべきであろうと思います。

では(^E^)

明けましておめでとうございます。

新年、明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

って、新年のご挨拶、少々遅くなってしまいました。
不動産鑑定士は地価公示に携わっている方が多く、
年末年始も、稼働している方など、なかなか正月気分を
ゆっくりと味わえない方も多く、僕もその一人でもあります(^^;)

ともかく、2011年も明けまして、今年はうさぎ年でもありますし、
皆様とともに、飛躍の1年にしていきたい所存です。

本年も変わらず、やまと鑑定パートナ―ズLLPをご愛顧の程、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

…今年は、もっとブログ記事のアップも頑張ります(^S^)/

投資家調査と個別不動産のキャップレ-ト

証券化対象不動産評価のキャップレートについて質問を受けたときの話です。質問者(監査法人)の趣旨は不動産投資家調査などで公表されているキャップレートとの比較などにより、対象不動産のキャップレートが若干違う水準なのではないか、具体的には、不動産投資家調査の公表値程度ではないか、ということのようでした。

そこで、まず不動産投資家調査の性格について検討してみます。これは不動産投資家などのプレーヤーにアンケートをとり、結果を集計し、代表値として中央値を公表しているものです。アンケートの回収数は百数十社程度のようです。標本数からいって統計上有意の数値が求められるような性格のものではないであろうこと、したがって公表された結果をそのまま個別の不動産に使用できないであろうことなどはおわかりになると思います。

また、「調査の性格と利用上の留意点」として以下の点、注意が喚起されております。「本調査の性格は、期待利回りを中心として投資スタンスや今後の賃料見通しなどの、投資家等市場参加者の期待値に関する回答を集計したものであり、必ずしも実際の取引に基づいて算出された数値をもとにしたものではない。」「本調査の数値は調査時点で得られる資料をもとにしており、また不動産は個別性が非常に強い資産であることから、個別の不動産の利回りに関して直接的な意味をもつものではない。したがって本調査の数値から個別の不動産の利回りを求める場合、必要な補正が適切になされない限り、不動産評価の信頼性に疑義が生ずる恐れがある。」

当該調査は半年に1回行われておりますが、Aクラスといわれるような大型ビルの取引は、都内でもそう多くの頻度で行われているわけではありません。したがいまして、調査の結果は、「投資家等市場参加者の期待値に関する回答を集計したものであり、必ずしも実際の取引に基づいて算出された数値をもとにしたものではない」のです。

つまり、アンケート回答者が想定したAクラスビルを仮に取得するとしたらどれ位の利回りを採用するかということの結果なのではないかと推測します。需要者側の期待値に近いものともいうことができるのではないかと思われ、さらに、高い利回り、低い利回りなどさまざまな利回りの中の中央値に過ぎないのです。この中央値がそのエリアのAクラスビルを取得する場合の規範あるいは標準値となるとまではいえませんし、個別具体的な不動産の利回りそのものだなどといえる性格のものではありません。

よって、「不動産は個別性が非常に強い資産であることから、個別の不動産の利回りに関して直接的な意味をもつものではない」、「したがって本調査の数値から個別の不動産の利回りを求める場合、必要な補正が適切になされない限り、不動産評価の信頼性に疑義が生ずる恐れがある」ということになるわけです。

誤解なきよう、私は、このような調査が参考にならないと申し上げているわけでは決してありません。利回りの動向が上昇しつつあるのか、低下しつつあるのか、あるいは安定的に推移しているのか、というようなトレンドを把握するためには極めて参考になる資料だと考えております。また、各エリア間の利回り格差を把握する観点からも極めて有意義な資料だと思っております。

ただ、個別性の強い不動産の個別具体的なキャップレートは上記資料から直接求めることはできないとは考えております。「必ずしも実際に取引されたビルの利回りではない」ということ、個別性の強い不動産に応じた「標準化のための補正が施されているわけではない」こと、アンケート回答者が「想定したビルが具体的にどのようなものなのかがわからない」ことなどの理由によります。「一般」物価水準の継続的な上昇・下落をインフレ・デフレといいますが、「個別」物価水準の上昇・下落をインフレ・デフレとはいわないことに類似します。

私がキャップレートを求める場合には、「実際に取引された」投資用不動産事例の、取引された際の初年度純収益を判定し、これを「実際に取引された」価格で除し、事例の取引利回り(キャップレート)を求め、事例不動産と対象不動産を実地検分のうえ、両者間の立地、建物品等、築年数、用途、維持管理の状態、テナントの状況(属性)、その他を比較検討し、各事例と比較した場合の対象不動産のキャップレートを求め、さらにこれらを比較衡量して採用するキャップレートを判定しております。したがいまして、求められたキャップレートは、取引の実態を反映していること、対象不動産の個別性を反映した個別具体的な数値といえると考えています。

それから、基本的なことにはなりますが、不動産の価値は、その不動産にとって典型的あるいは標準的な市場参加者が求める価値の水準を中心に価格が形成されていきます。現況、収益不動産の場合、買手中心の見方に偏りがちですが、市場参加者には、売手と買手の双方がいるということも忘れてはいけません。双方が納得いく水準で価格は形成されていきます。

不動産投資プレーヤーによっては、「ローンとエクイティとで構成される不動産投資ビークルが市場参加者の中心的な存在である場合、その投資ビークルの資金調達能力、あるいは、リスクに対するポジションが不動産価格を動かすことになる」と認識されている方もいらっしゃいますが、これは「投資価値」とは確実にいうことはできますが、これを鑑定評価上の「市場価値」(正常価格)といえるかどうかです。

投資家はさまざまな投資基準で投資行動を行っておりますので、エクイティに対するリスクポジションが異なれば、当然さまざまな「取引価格」あるいは「投資価値」が生じます。また、ローンレンダーの融資条件も投資家によってさまざまですので、それによっても当然さまざまな「取引価格」あるいは「投資価値」が生じます。

では、さまざまな「取引価格」あるいは「投資価値」がある中で「市場価値」(正常価格)はあるのでしょうか、ないのでしょうか。さまざまな「取引価格」あるいは「投資価値」の中に潜んで必ずあるはずです。それを引き出すには、供給者と需要者(エクイティ投資家、ローンレンダー等を含む)が、合理的な市場を前提とした場合の典型的あるいは標準的な市場参加者に該当していると想定できるかどうかということになります。どのような供給者・需要者がこれに該当するのかを判断するのが不動産評価の専門家としての不動産鑑定士の能力といえます。

結果的に不動産投資家調査と同じキャップレートということもあるでしょうし、異なるキャップレートということもあるでしょう。それは、実地検分・分析した結果であって逆ではありません。

結論としましては、「実際に取引された収益用不動産について、売主及び買主の属性はどのようなものなのか、実際の取引価格はいくらなのか、純収益はどの程度か、代替・競争不動産の純収益水準と比較してどうなのか、今後の見込みはどうなのか、実際に実地検分した結果対象不動産と比較して立地・建物品等・築年数・用途・維持管理の状態・テナントの状況(属性)などはどうなのか等々を個別具体的に判断してはじめて対象不動産のキャップレートが求められる」ことになるのであって、このような手順も踏んでいない方が、投資家(需要者サイド)のアンケート結果をその性格・内容も十分に吟味もせず、これが正しいと机上で主張するのはどうなのでしょうか?ということだと思います。

例えば、製造業の企業の場合、実際の工場を実地検分もせずして、類似業種の財務分析資料などを参考に、対象企業の財務諸表だけからその企業の真の財務分析などできないでしょう?というのと同じです。書面資料を分析すれば、どこに問題がありそうかという「あたり」はつけられると思いますが、実際に実地検分しなければ本当のところはどうなのかということが検証できないということは企業の場合も不動産の場合も同じです。「あたり」をつける能力も極めて重要だと思いますが、「あたり」は「あたり」に過ぎず、「現実」と合致する場合もあれば、合致しない場合もあります。それは、実際に足を運んで自分の目で見て検証しないと見えてこないことだと思います。

ただ実際は、不動産投資家調査などの結果を採用し、どのような根拠をもって個別具体的なキャップレートを判定したのか疑問符のつくような鑑定書も多々あります。しかし、これは専門家としての態度ではないと考えます。また、特に証券化不動産の評価については、近時、国土交通省もできるだけ具体的にキャップレートの判定過程を明示するよう指導しているところです。

説明責任を果たす意味でも、収益価格の試算に最も重要なキャップレートについては、判断過程を具体的に明示すべきと考えます。

以上のような回答を質問者へはお返しいたしました。

間違いがありましたらご指摘ください。

では(^E^)
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